建築施工管理技士の資格はとても重要! 試験内容や必要とされる理由を解説

皆さんこんにちは。宮城県仙台市を拠点に、福島県、岩手県、山形県でも店舗建築を手がけているアート株式会社です。


建設工事を行う時は、工事全体を管理する「施工管理」の担当者を置く必要があります。この施工管理者が持っているべきなのが「施工管理技士」の資格です。施工管理技士の資格を持っていると、施工管理者としての能力を証明できるのに加え、他にもいろいろなメリットがあります。ここでは施工管理技士の資格の取得方法や、施工管理技士が求められる理由をご紹介します。




■施工管理技士ってどんな資格?



施工管理技士は、施工管理の知識および能力を有することを認定する国家資格です。担当する現場の種類に応じて、全7種類が設けられています。取得するためには、建設業法27条に基づいた施工管理技術検定に合格する必要があります。


そして施工管理とは、簡単にいうと建設工事が予定通り進むよう、現場の業者・職人の指揮監督や工事全体の品質・進捗管理を行う仕事です。施工管理の詳しい仕事内容や必要なスキルについては、前回記事でご紹介しておりますのでそちらをご覧ください


施工管理って何をする仕事? 仕事内容や必要なスキルをわかりやすく紹介!



また、施工管理技士には1級と2級があります。2級は一般建設業の営業所における「専任技術者」と、工事現場に配置される「主任技術者」になることが可能です。1級は2級の範囲に加え、特定建設業の営業所における「専任技術者」と、工事現場に配置される「監理技術者」になることができます。


簡単にいうと、1級はより大きな営業所・現場で責任ある立場になれるということです。詳しくは後の項目で解説します。




■施工管理技士の試験概要



施工管理技士の資格を取得するための試験(施工管理技術検定)は、国土交通省の指定実施機関がほぼ毎年実施しています。日程や細かい条件は、その年度の官報で発表されます。ここでは試験の概要を確認しておきましょう。



・試験は2段階ある

施工管理技術検定は、第1次検定と第2次検定の2段階に分けられています。第1次検定は、基礎的な施工技術の知識・能力を判定する試験です。そして第2次検定では、実務経験に基づく技術上の管理能力や、指導監督の知識および能力を判定します。この2段階の試験に合格して初めて、施工管理技士の資格を取得できます。


なお、1次検定と2次検定は個別で受けることもできます。令和3年度の制度改正により、1次検定の合格が無期限有効となったため、2次検定がとても受験しやすくなりました(詳しくは後述)。



・形式は筆記試験

試験の形式は、第1次検定がマークシート方式、第二次検定が記述方式の筆記試験です。令和2年度までは第2次検定が「実地試験」という名称だったため、「作業の実技試験がある」と誤解されることが多かったのですが、実際には以前からペーパーテストしかありません。


ただし、例外として「建設機械施工管理技士」のみ、第2次検定で実技試験があります。内容は建設機械の所定コース内での操作・施工です。



・受験には実務経験が必要

施工管理技術検定を受験するためには、一定の実務経験が求められます。2級1次検定のみ、試験実施年度において満17歳以上なら誰でも受験できます。2級2次〜1級2次検定は、各検定で定められた年数の実務経験が必要です。



・試験はほぼ年1回

施工管理技術検定は、2級1次検定のみ年2回、2級2次〜1級2次検定は年1回行われます。試験地は主に札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の10地区ですが、他の地区が加わることもあります。


具体的な試験の内容・条件・日程・試験地などは、資格の種類やその時の状況によって変わるため、毎年確認が必要です。詳細は各試験機関の公式ホームページをご覧ください。




■施工管理技士が必要とされる理由、取得するメリット



施工管理者になるにあたって、施工管理技士の資格は必須というわけではありません。しかし実際には、ほとんどの工事において有資格者が施工管理者になっています。施工管理技士の資格を持っていれば、施工管理の能力を客観的に証明できるため、工事を依頼する側としても受注する側としても安心できるのです。


また、他にもさまざまなメリットがあることから、多くの建設業従事者が施工管理技士の資格取得を目指しています。施工管理技士が必要とされる理由や、資格を取得するメリットを挙げてみましょう。



・主任技術者や監理技術者になれる

建設工事を受注した業者は、建設現場に「主任技術者」を配置するよう建設業法によって定められています。主任技術者の役割は、施工計画の作成や品質・工程管理、作業員の指導など、施工における技術上の管理をすることです。


また、元請として外注総額4000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の工事を請け負う場合は、主任技術者ではなく「監理技術者」を配置する義務があります。監理技術者は下請業者の指導・監督も担うため、より高い能力が求められます。


そして、主任技術者になるためには1~2級施工管理技士、監理技術者になるためには1級施工管理技士の資格が必要です。事実上、建設業者が工事を請け負うためには、最低でも2級施工管理技士の在籍が必須ということになります。



・各営業所の専任技術者になれる

「一般建設業」および「特定建設業」の許可を受けた建設業者は、営業所ごとに「専任技術者」を配置する義務があります。一般建設業の専任技術者になるには1~2級施工管理技士、特定建設業の場合は1級施工管理技士の資格が必要です。


特定建設業の許可は、工事の一部または全部を下請に出す際の代金が4000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の場合に必要となります。金額が4000万円未満の場合や、下請としてのみ営業する場合は一般建設業の許可で大丈夫です。


もし営業所ごとに専任技術者を配置できなければ、建設業の許可を維持できなくなり、建設業者として活動できなくなります。つまり、施工管理技士の有資格者は、最低でも営業所の数だけ在籍していなければならないのです。



・経営事項審査で評価される

公共工事の入札に参加するためには、前提条件として「経営事項審査」をクリアする必要があります。主な審査項目は経営規模や経営状況、技術力などですが、特定の国家資格の保有者の在籍人数も審査対象になります。


施工管理技士は1級なら5点、2級なら2点が加点されるため、有資格者が大勢在籍しているほど有利です。そのため、どの会社もより多くの施工管理技士を求めています。見方を変えるなら、施工管理技士の在籍人数は、その会社の技術力を示す重要なポイントなのです。



・給与アップにつながる

施工管理技士の資格を保有していると、多くの場合は基本給が上がったり、資格手当が支給されたりします。これは前述したように、監理技術者や専任技術者といった役職に就くことができ、さらには経営事項審査で加点対象になるなど、会社にとって価値の大きい人材だからです。


近年では建設業界が人手不足に陥っているため、有資格者もより条件のいい会社を求めて転職することがしばしばあります。工事を発注するなら、好条件を設けて優秀な技術者を集めているかどうかにも注目するといいでしょう。




■令和3年度から「施工管理技士補」の資格が新設!



最後に1つ、重要な情報をお伝えします。実は令和3年度から、施工管理技士の試験制度が大幅に改正されました。最も大きな変化は、監理技術者の専任緩和を目的として「施工管理技士補」の資格が新設されたことです。技士補の資格は第1次検定に合格した段階で取得でき、1級施工管理技士補は監理技術者(1級施工管理技士)の業務を補佐することができます(2級技士補は明確な役割なし)。


また、1次検定の合格(技士補の資格)が永続有効になったことも大きな変更点です。令和2年度までの1次検定(学科試験)では、合格の効力が翌年までしか持たず、翌年の2次で不合格になると翌々年は1次からやり直す必要がありました。しかし新制度では、一度1次検定に合格してしまえば、いつでも2次検定から受けられるようになったのです。


さらに2級の2次検定に合格すると、実務経験を問わずに1級1次検定を受験できるようになりました。このような改正の影響により、今後は1級施工管理技士補の有資格者が増えていくと考えられます。工事の発注先を選ぶ時は、1級施工管理技士補の在籍人数もチェックしておきましょう。




■まとめ



施工管理技士の資格は、キャリアアップや転職の際に有利であり、給与アップにつながるため、建築現場で働く上で欠かせない資格の1つです。


まずは2級施工管理技士取得を目指し、現場での経験を積みましょう。

その後、さらに経験を積んで1級施工管理技士の資格を取得すると、昇給・昇進や転職において非常に有利になります。忙しいと言われている施工管理業務の中で、計画的に勉強することが重要です。


また、受験には費用がかかるため、資格取得支援制度のある会社に入社することも、スムーズな資格取得につながるでしょう。


建築施工管理技士の資格を保有することで、将来的なキャリアアップや安定した給与、さらには家族との時間を大切にしながら働くことができます。建築関連の施工管理者を目指す方にはぜひ取得していただきたい資格です。



アート株式会社では店舗建築や戸建て新築、マンション・リノベーションの工事現場で働く施工管理職を募集しています。


弊社は基本、案件に対して一人で担当。時間や休日を自分で決められること、会議が殆どないこと、また業界的には珍しく年間休日が125日あり、お盆、年末年始もゆっくりできるため、家族との時間や資格を取るための学習時間をつくりやすい環境です。

また資格取得支援などのサポート体制があり、働きながら資格を取得しやすい制度も整っています。


施工管理技士の資格をもっているのにキャリアに悩んでいる方や、一人親方など個人事業主の方は大歓迎。

一級施工管理技士、一級建築士をはじめ、資格保有者が在籍していますので、キャリアアップを図りたいという方にもおすすめです。

もちろん未経験者の方もていねいに指導しますので、やりがいをもってものづくりに取り組みたいという方は、お気軽にご連絡ください。


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